脳神経外科領域の医療レベルの更なる向上を目指す

日本は人口の高齢化が進み、超高齢化社会へ突入しています。国民全体の健康意識の高まりから、平均寿命だけでなく健康寿命の延長が求められています。脳神経外科が対象とする疾患は、先天性疾患、脳腫瘍、脳卒中、頭部外傷、脊椎脊髄疾患、機能的脳疾患などがあり、新生児から高齢者まで幅広い年齢層におよびます。これらの疾患は、意識障害、麻痺、言語障害、高次機能障害などの症状を呈することが多く、健康寿命の延長を実現するためには、脳神経外科領域における診断や治療の発展は必要不可欠です。

現在、名古屋大学医学部附属病院脳神経外科および同門の関連施設病院全体で年間約20,000人に及ぶ患者さんの入院治療と10,000件以上の手術を実施しています。しかし、脳神経外科領域には、いまだ解明されていない問題が数多く残され、新たな研究による病態解明や手術技術の向上が求められています。

今般、これまでに培った知識や技術をさらに向上させ、新たな手術技術の開発、質の高い研究を通して新たな治療法や診断法を開発し、これらを臨床現場の方々に提供し、多くの患者さんに恩恵を享受していただくため、NPO法に基づく法人格を取得することとし、特定非営利活動法人東海神経外科疾患研究グループ(TNR)を設立いたしました。

私たちは、NPO法人設立後も、脳神経外科が対象とする疾患を有する人々に対し、実証に基づく医療の開拓と知識や医療技術の普及また予防に関する事業を行います。また脳神経外科領域における最新医療に関する教育、研究、学術支援事業などを行い、脳神経外科領域の医療レベルの向上を目指します。これにより地域と社会の健康の増進を図り、健康寿命の延長に寄与することができると考えています。豊かな長寿社会と実りある21世紀を実現するため、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

特定非営利活動法人
東海神経外科疾患研究グループ

理事長 若林 俊彦